Q and A

労働者派遣事業の許可申請について①

こんにちは。社会保険労務士の大川陽太郎です。
今回は、労働者派遣事業の許可申請の方法ついて、お伝えさせて頂きます。

平成27年9月30日より労働者派遣法が改正され、派遣事業において特定派遣事業(届出制)および一般派遣事業(許可制)の区分がなくなり、全ての派遣事業が「許可制」に一本化されました。また、上記法改正に伴い、派遣の許可要件にも変更があり、派遣元事業主の義務が強化されました。

それでは、派遣事業の主な許可要件をお伝えさせて頂きます。

■資産に関する要件

第一に、直近の事業年度における資産状況おいて、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 基準資産額(※1)≧2000万円×事業所数
  2. 基準資産額≧負債×1/7
  3. 自己名義の現金・預金の額≧1500万円×事業所数
  4. (※1) 基準資産額:資産総額-負債総額-繰延資産-営業権(のれん)

許可申請にあたり、この資産に関する要件を満たさない限りには申請を断念せざるを得ません。

■事業所の要件

派遣事業所として使用するために、適切な事業所として認められるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 事業で使用し得る面積が20㎡以上あること。
  2. 使用目的が事務所であること。
  3. 事業所の独立性が保たれていること。
  4. 個人的秘密を保持し得る構造であること。
  5. 風俗営業が密集する等事業の運営に好ましくない場所にないこと。

許可申請後、労働局による事業所の実地調査が必ず行われることになっています。派遣元責任者の席、職務代行者の席、鍵付きキャビネット、研修・面談スペース、社名表示があるか等を確認されます。

■派遣元責任者の要件

派遣元責任者は以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 3年以上の雇用管理経験(※2)があること。
  2. 派遣元責任者講習を許可申請の受理日前に3年以内に受けていること。
  3. 職務代行者(※3)を選任すること。
  4. 労働者または役員で、派遣元責任者として業務に専念できること。
  5. (※2) 雇用管理経験とは、人事・労務担当者、支店長、工場長、労基法上の管理監督者であったと評価できること。
    (※3) 職務代行者とは、派遣元責任者が不在の時の代わりに対応する者であること。

■キャリア形成支援制度の要件

平成27年9月30日の派遣法改正により、派遣労働者のキャリアアップを図るため、派遣元事業主はキャリア形成支援制度を講ずることが、新たに許可基準として追加されました。派遣元事業主は労働者のキャリア形成を行うために、段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めることとされ、以下の要件をすべて満たさなければなりません。

  1. 全ての派遣労働者を対象としたものであること。
  2. 実施する教育訓練が、有給かつ無償で行われるものであること(経費は会社負担および訓練の時間は労働時間として扱う)。
  3. 入職時の教育訓練が含まれたものであること。
  4. フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者については、毎年おおむね8時間以上の教育訓練を実施すること。
  5. キャリアコンサルティング(※4)の相談窓口を設置すること。
  6. (※4)キャリアコンサルティングとは、キャリアコンサルタント、職業能力開発推進者、3年以上の人事担当職務経験がある者、または営業担当者のいずれかの者が担当することとされています。

「労働者派遣事業の許可申請について②」(9月第1月曜日更新予定)に続きます。

大川社労士事務所
社会保険労務士 大川陽太郎
URL:http://www.okawa-lssa.jp

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