書評

ビジネス・実用書レビュー
シーナ・アイエンガー『選択の科学』 選択 は最悪を最高にできる〜後編

補助金・助成金の強い味方、補助金リーチ.comのビジネス・実用書レビューは1冊の本の書評を前編・後編2回に分け、毎月第2・第4月曜日(祝祭日の場合は翌日)にお届けいたします。
8月は都合で書評をお休みしました。今回はコロンビア大学ビジネススクール特別講座を書籍化したシーナ・アイエンガー『選択 の科学』文藝春秋を取り上げました。9年前のベストセラーですが、今年の初めにダイヤモンドオンラインに掲載された「東大で史上一番売れた本」のランキングでも16位とまだまだ人気の衰えない本です。

選択の科学

目次

条件から選択して結果を新たな条件に

前半でも触れてきましたが、選択には責任が伴います。彼女の本の終盤では「選択の代償」として書かれていますが、条件の中から選択することは、それで終わりではありません。必ず結果が出て、それが次の選択の条件となります。それが選択の代償であり責任です。選択を後悔することも当然あることでしょう。
選択は結果をある程度予測した上でします。そういう意味では結果はある程度自分でコントロールできる部分もあります。が、なかなかそういうわけにいかないのが人生です。それは結果が彼女がいうところの「偶然と運命」が選択と絡んで方程式のようになっているからでしょう。
しかし、選択は決して思い通りにするためだけにするものではないと思うのです。どういうことかというと、例えば、自分がした選択の結果が思ったようなものではなく、次の手として何も選べないような状況に対して、どういう態度で向き合うかを選ぶ、という選択もあるということです。
思うような結果が出ても出なくても、その責任を負ってそれを新たな選択の条件として引き受けて、何かしらを選び続けるのが、自己を形成するというプロセスそのものでもあるのかもしれません。
自分が選んだことの結果に怒ったり、拗ねたり、諦めたり、別のことを考えたり、助けを求めたり……。そういう態度にこそ、私たちは「その人らしさ」を見ると思いませんか?

主観とモノサシ

彼女の本を読みながら何度も思い出したのは、『夜と霧』や『それでも人生にイエスという』という本の著者であり心理学者であったヴィクトール・フランクルでした。
フランクルは第二次世界大戦中にナチスドイツによって、ユダヤ人であるという理由により捕らえられ、アウシュビッツの強制収容所で6ヶ月間を過ごしました。彼は収容所の中で、人間は絶望の中でもその人が思う「生きる意味」(自己価値)を見出すことができ、それに従って選択することによって人間性や希望を失わずにいることができるという自説を裏付ける出来事を目の当たりにしました。

私は心理学の各種理論は異口同音に、自己という概念は価値観を通して作られるというようなことを言っており、そして、自分に起きた出来事をその価値観に叶うよう理解し選択し振る舞うことで自分の価値(アイデンティティ)を確認するのだと理解しています。
価値観とは、別の言い方をすると「私はこう思う」という「主観」と「だからいい悪い」という「モノサシ」になるでしょうか。

さて、ここでおなじみのビジネスに絡めたオチへとつなげます(笑)
例えば、自社の商品かサービスにクレームがあったとしましょう。
それを失敗だと捉えて潰してしまうか、言いがかりだと受け取って反撃に出るか、改善のいい手がかりをもらったと喜んでお礼をするか、私たちは選べるということなのです。
そして、さらにその選択の結果がもたらす次なる選択の条件(クレームを申し立てたお客様の反応)ももちろん大きく変わる図が見えたでしょうか。

どんな人も、人生に起きることを完全にコントロールすることはできません。しかし、どんなに最悪に思える結果でも、受け取り方を選ぶだけでいとも簡単に人間性にあふれ、希望あるものに変えることができるのが人間ではないでしょうか。行き詰まった時はいつもと違う視点で出来事を見ることで道は拓けるのかもしれません。

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ライター:鶴見紀子(True Color Create / WE GiRLs CAN

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